アムロ・レイ/Amuro Ray(一年戦争期)

キャラクター

アムロ・レイは、『機動戦士ガンダム』の主人公であり、その後も複数の「宇宙世紀シリーズ」に登場するモビルスーツ(MS)パイロットである。地球連邦軍に所属し、ニュータイプを象徴する存在として描かれる。
一年戦争では「RX-78-2 ガンダム」に搭乗し、卓越した戦闘能力を発揮。連邦とジオン双方に絶大な影響を及ぼした。

画像引用元:アニメ『機動戦士ガンダム』©創通・サンライズ

概要

  • 作品:機動戦士ガンダム など
  • 所属:地球連邦軍 第13独立部隊
  • 階級:曹長⇒少尉
  • 搭乗機:ガンダム、ガンタンク、ガンキャノン など
  • 人種:日系人(アングロサクソン説あり)
  • 年齢:15歳(機動戦士ガンダム)
  • 身長:168cm
  • 体重:55kg
  • 誕生日:11月4日
  • 血液型:AB型
  • 出生地:諸説あり(プリンスルパート、日本、メキシコ)
  • 好物:ハンバーガー
  • 趣味:機械いじり

アムロ・レイの幼少期と成長過程

アムロ・レイは宇宙世紀0063年11月4日、技術者テム・レイとその妻カマリアの間に誕生した。彼の出自については、日系であることが作中で示唆されているものの、明確な国籍や民族的背景は語られていない。幼少期の居住地についても定説はなく、日本の鳥取県山陰地方、カナダのプリンスルパート、あるいはメキシコのロサリトなど複数の説が存在する。

宇宙世紀0068年、アムロは母と離別し、父とともに宇宙へ移住。以後は各サイドを転々とする生活を送り、宇宙居住者(スペースノイド)として成長した。母と別れた理由については、父への失望と同時に「そんな父親についていかなければ」という子供心があったとされる。この流動的な成育環境は、彼の内向性や人間関係における距離感に影響を与えたと推察されている。

父が家を空けることが多かったため、自宅ではコンピューターや機械をいじりながら一人で過ごすことが多く、その結果として内向的な性格が形成されたと考えられる。一方で、連邦軍の新型MS開発に関わる技術者を父に持ったことから、人並みの自尊心は育まれていた。内向的な性格の表れとして爪を噛む癖があり、幼馴染のフラウ・ボゥにたびたび注意されている。興味のあることには没頭する反面、それ以外には無頓着で、家は衣類や食器で散らかっていた。サイド7に移住後は隣家のボゥ家に面倒を見てもらっていたが、内心では自分の不甲斐なさを恥じていた。なお、この頃にペットロボットのハロを改造しており、その後の作品にも世代を重ねたハロが登場している。

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モビルスーツパイロットとしての覚醒

初陣

宇宙世紀0079年9月18日、居住していたサイド7をジオン公国軍が襲撃。アムロは偶然にもV作戦により開発された試作モビルスーツ・RX-78-2 ガンダムに搭乗することとなった。この際、彼は初陣にもかかわらずザクIIを2機撃破するという戦果を挙げた。

この戦闘は史上初となるモビルスーツ同士の戦闘であり、アムロは軍属でない民間人としてこの歴史的瞬間に名を遺した。以降、彼は戦闘で正規クルーを多く失ったホワイトベースに現地徴兵され、モビルスーツパイロットとして実戦経験を積む中で急速に操縦技量を高めていく。

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アムロの成長、パイロットとしての決意

ホワイトベースの乗組員として、そしてガンダムのパイロットとしてサイド7を出航したアムロは、宿命のライバルとなるジオン公国軍のシャア・アズナブルと邂逅する。ホワイトベースの地球降下を阻止すべく執拗に追撃を行うシャアとの連戦を潜り抜け、アムロはついに地球降下を成功させた。その戦いは、彼にとって「生き残る」ことだけを目的としたものだった。

しかし、戦いを重ねる中で彼の精神は徐々に疲弊し、艦長代行ブライト・ノアとたびたび衝突を繰り返す。唯一のアイデンティティであった「ガンダムのパイロット」であることを剥奪されそうになったとき、アムロはホワイトベースを脱走し、ガンダムとともに砂漠へと姿を消した。

脱走の最中、砂漠の町のレストランで偶然にもジオン公国軍人ランバ・ラルと出会う。ラルの愛人クラウレ・ハモンとともに気に入られるが、やがて再会の舞台は戦場へと移る。ラルの駆るグフを退けることに成功したアムロであったが、その勝利はパイロットとしての技量ではなくMSの性能によるものだと指摘される。そのとき、アムロの中に「生き残る」こと以外の、パイロットとしての意識が芽生え始めた。

アムロにとってラルは敵でありながら超えるべき壁であり、まるで父親のような存在として立ちはだかった。そのラルの死、そしてラルの仇を討とうとホワイトベースへ特攻を仕掛けたハモン――彼女の攻撃から仲間を守るために身を挺して散ったリュウ・ホセイの死は、アムロに「生きる意味」を深く問いかけることとなった。

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ニュータイプ能力の発現

連邦軍内での評価

ニュータイプとしてのアムロを最初に認識したのは補給士官のマチルダ・アジャンであった。彼女はその先頭直観と機体との同調性に着目して彼を「エスパー」と表現した。連邦軍本部のあるジャブローにおいても、マチルダ隊が持ち帰ったアムロの戦闘データは検証され、早い時期からニュータイプとして注目されていたという。

その証左として、連邦軍内ではRX-78 NT-1など、彼の専用機が複数検討されており、また、Gパーツなどのガンダム支援機の開発が率先して進められていた。このようにアムロ・レイの待遇は連邦軍内でも異例の扱いとなっていた。

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ニュータイプへの覚醒

アムロのニュータイプ能力は戦闘を重ねるごとに飛躍的に向上し、その反応速度や空間認識能力は常人の域を超えていた。ジャブローではシャアと互角以上の戦いを演じ、再び宇宙へと上がった際には、ドレン大尉率いるキャメル・パトロール艦隊のムサイ3隻を撃沈する。さらに、コンスコン機動艦隊との交戦では、わずか3分間でリック・ドム9機を撃破し、旗艦チベをも沈めるという戦果を挙げた。その存在は連邦とジオン双方で特異視され、ジオン軍からはシャア・アズナブルの「赤い彗星」に対比して「連邦の白いヤツ」と恐れられるようになった。

やがてアムロの超人的な反応速度は、当時最新鋭であったはずのガンダムですら追随できなくなる。同機にはマグネット・コーティングが施され、ようやくアムロの驚異的な操作に対応可能となった。この頃のアムロは、シャアが駆るゲルググすら圧倒する戦闘能力を発揮している。

ソロモン攻略戦後の戦いでは、ニュータイプ能力を有するジオンのエース、ララァ・スンと精神的な共鳴を経験する。敵味方という枠を超えた心の邂逅は、アムロにニュータイプの本質とその存在意義を深く問い直す契機となった。しかし、シャアとの戦闘の中でアムロはララァを戦死させてしまう。この出来事はアムロの心に深い影を落とすとともに、彼とシャアの間に決して埋まることのない溝を刻み込むこととなった。

最終決戦と仲間たちとの別れ

最終決戦となったア・バオア・クー攻略戦では、アムロはシャアの駆るジオングと交戦する。激しい攻防の末に両者の機体は大破し、やがてお互いの機体を捨てての白兵戦へと移行した。セイラ・マスの介入もあって決着はつかず、アムロは大破したガンダムのコア・ファイターでア・バオア・クーを脱出する。

脱出の最中、アムロはニュータイプとしての精神的交感を通じてホワイトベースの仲間たちを導き、彼らを戦火の中から生還へと導いた。そして、スペースランチでアムロの安否を案じていた仲間のもとへ、まるで引き寄せられるように帰還する場面をもって、『機動戦士ガンダム』の幕は閉じる。

その後、ホワイトベースの乗組員は友軍のサラミス級巡洋艦に収容されたが、アムロは一足先にシャトルでルナツーへ搬送され、治療と精密検査を受けることとなった。さらに地球に降下した後、南米ジャブローの連邦軍高官から「英雄的」な歓待を受けるが、それはニュータイプとしてのアムロを危険視した高官たちの監視下に置くためのものでもあった。このため、アムロは軟禁に近い生活を強いられ、ホワイトベースの仲間たちと長く再会することは叶わなかった。

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その他の設定

監督の富野由悠季は、アムロをオールドタイプ的感性を持ったニュータイプと評しており、「ニュータイプの究極像」である続編の主人公「カミーユ・ビダン」と比較される。アムロはカミーユと比較して学習できないため、オールドタイプとして死んでいくしかないとされている。

参考文献

  • Wikipedia 『アムロ・レイ』
  • 『機動戦士ガンダム』 創通・サンライズ
  • 『機動戦士ガンダム U.C. ENGAGE』 創通・サンライズ
  • 『データガンダム キャラクター列伝[宇宙世紀編Ⅰ]』 ㈱角川書店 岡崎昭行・著
  • 『機動戦士ガンダム THE ORIGIN 公式ガイドブック 2』角川書店
  • 『総解説ガンダム辞典Ver1.5』講談社
  • 『密会〜アムロとララァ』角川書店〈角川スニーカー文庫〉

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