ヒイロ・ユイ/Heero Yuy

キャラクター

ヒイロ・ユイ(Heero Yuy)は『新機動戦記ガンダムW』の主人公であり、ウイングガンダムのパイロット。幼少期より工作員として英才教育を受け、地球統一連合の支配に反目するコロニーの「オペレーション・メテオ」の発動により、地球へと降下して戦いに身を投じる。

画像引用元:30周年記念映像『新機動戦記ガンダムW -Operation 30th-』©創通・サンライズ

概要

  • 作品:新機動戦記ガンダムW、新機動戦記ガンダムW Endless Waltz など
  • 所属:コロニー(レジスタンス組織)
  • 搭乗機:ウイングガンダム、ウイングガンダムゼロ、白雪姫(スノーホワイト)、ガンダムヘビーアムズ、メリクリウス、ガンダムエピオン、リーオーなど
  • 人種:日系人
  • 年齢:15歳
  • 出身地:L1コロニー
  • 身長:156cm
  • 体重:45kg

出自と幼少期

出生

ヒイロ・ユイは、元OZ(オズ)エージェントである「アオイ・クラーク」と、地球統一連合軍に所属していた狙撃手「アディン・ロウ」との間に生まれた一子である。誕生当時、アオイとアディンは既に別離しており、ヒイロはアオイが後に結婚したOZ所属の技術者セイス・クラークの子として育てられた。なお、ヒイロ・ユイは後に工作員のコードネームとしてつけられた名であり、本名は実父の名前からアディン・ロウJr.という。

養父のセイス・クラークは、OZの主力量産型モビルスーツであるリーオーおよび空戦用モビルスーツエアリーズの開発主任を務めた人物である。その影響から、幼少期のヒイロ(アディン・ロウJr.)は量産機であるリーオーに対して特別な愛着を抱いていた。

両親との死別とアディンとの出会い

ヒイロ(アディン・ロウJr.)の運命を大きく変える事件が、宇宙要塞バルジ完成式典において発生したテロリスト襲撃である。バルジは地球圏統一の象徴ともいえる戦略要塞であり、その設計主任を務めていたのが、義父であるセイス・クラークであった。完成を祝う式典には家族であるアオイ・クラークとヒイロも同行しており、結果的にその場に居合わせることとなる。

式典当日、バルジは突如として武装勢力による襲撃を受ける。この事態を察知した実父のアディンは、アオイとヒイロの救出に向かったものの、アオイとセイスはヒイロを守って命を落としてしまう。両親を失い、身寄りのないヒイロはアディンに引き取られ、奇しくも実父との生活が始まることとなった。

アディンとの生活と別れ

当初、アディンはヒイロ(アディン・ロウJr.)を普通の子供として育てようとしていた。しかし、自身が裏稼業で殺し屋をしていることが露見したことを切っ掛けに、親子の関係を偽りつつ、自身の持つ戦闘技術、諜報活動、生存戦術といった、生き抜くためのすべての術をヒイロに叩き込むようになる。また、アディンはヒイロに対して「感情のままに生きること」を強く説いた。この想いはヒイロの行動原理として深く根付いていくことになる。

AC188年、ヒイロと共にゲリラ活動を行っていたアディンは、バートン財団のデキム・バートンから最後の依頼として、地球圏統一連合のセプテム将軍の暗殺を請け負う。しかし、この依頼はデキムの罠であり、暗殺を失敗したアディンは負傷したところをデキムにより銃殺される。

再び身寄りを失ったヒイロであったが、その才能を見込んだ「ドクターJ」により声を掛けられ、彼の下で破壊工作とガンダムのパイロットとしての訓練を積むこととなる。このとき、ヒイロはわずか8歳の少年であった。

『新機動戦士ガンダムW』の舞台にて

オペレーション・メテオの発動

A.C.195年、地球圏統一連合による圧政と弾圧に対抗するべく、一部のコロニー勢力は極秘作戦「オペレーション・メテオ」を発動する。これは、5機の高性能モビルスーツ「ガンダム」を隕石に偽装し、地球に強行降下させることにより、軍事組織OZ(オズ)の殲滅とコロニーの自立を実現しようとするものであった。

L1コロニーのウイングガンダムのパイロットとしてこの作戦に参加したのが、かつてアディン・ロウJr.と呼ばれていた少年であった。彼はドクターJのもとではナンバーで呼ばれていたが、地球に降下する直前にコロニーの伝説的指導者である「ヒイロ・ユイ」の名をコードネームとして与えられる。

シャトルに偽装したウイングガンダムで大気圏突入を試みるヒイロであったが、OZ所属のエースパイロットであるゼクス・マーキス指揮下のモビルスーツ舞台と遭遇してしまう。交戦の結果、両者は相打ちとなり、ウイングガンダムは海中に没してしまう。

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リリーナ・ドーリアンとの出会い

海中に沈んだウイングガンダムから脱出したヒイロは、海岸で意識を失っているところを民間人の少女リリーナ・ドーリアンに発見される。しかし、リリーナに顔を見られたヒイロは、任務の秘匿性を維持するため自決を試みるが失敗し、救急車を強奪してその場を逃走する。

後日、ヒイロは目撃者排除のため、リリーナが在籍する聖ガブリエル学園に編入する。リリーナが彼に興味を示し、誕生日パーティーへの招待状を手渡すと、ヒイロはその場で招待状を破棄し、耳元で「お前を殺す」と告げるという異質な態度を見せたが、両者の接触はむしろ頻度を増していった。

ヒイロは学園生活と並行して、OZによるウイングガンダム回収の阻止を企図し、海中からサルベージ中の機体に魚雷攻撃を敢行。しかし、その衝撃で負傷・気絶し、現場に居合わせたリリーナの通報により地球圏統一連合軍の医療施設へ収容される。ここでは、ガンダムデスサイズのパイロットデュオ・マックスウェルの協力を得て脱出に成功する。

統一連合の施設からの脱出に成功したヒイロであったが、「何者にも察知されずOZに破壊工作を行う」という任務に失敗したと自ら判断すると、自分の存在がコロニーへの報復理由となる危険性を鑑みて再び自決を試みるが、リリーナの叫びにより思いとどまる。ヒイロは、彼女の存在によって自身のペースが乱されている事実に大きく戸惑うのであった。更には、リリーナの抹殺を目的としていたにも関わらず、彼女が戦闘に巻き込まれた際は咄嗟に庇ってしまうなど、矛盾した行動をとってしまい、結果として彼女を排除できないまま聖ガブリエル学園を去ることになる。

和平推進派ノベンタ元帥の死

聖ガブリエル学園を離れたヒイロ・ユイは、OZが流した偽情報を受け、ニューエドワーズ基地で行われる地球圏統一連合の軍縮会議を襲撃する。しかし、その標的はコロニーとの和平を推進していたノベンタ元帥ら穏健派首脳陣であり、ヒイロは誤って彼らの乗るシャトルを撃墜してしまう。これにより、コロニー側にとって最大の政治的支援者を失い、和平への道筋は大きく損なわれることとなった。

続くシベリアでの作戦では、OZの新型可変MS「トーラス」の輸送を襲撃する作戦に参加。そこでヒイロは、ゼクス・マーキスが搭乗するトールギスとの交戦に入るが、戦闘の最中、OZの指揮官レディ・アンによってコロニーを人質に取られ、降伏を迫られる。交渉の場に現れたコロニー過激派代表ドクターJは「降伏はする。しかしガンダムは渡せん」と通告。ヒイロはその意を汲み、自身が搭乗したままウイングガンダムを自爆させ、機体をOZの手に渡らぬよう破壊した。

戦う理由の喪失

シベリアでのウイングガンダム自爆後、ヒイロ・ユイは瀕死の重傷を負うも、ガンダムヘビーアームズのパイロットであるトロワ・バートンに救出される。トロワが身を潜めていたサーカス団で静養したヒイロは、やがてノベンタ元帥の親族への謝罪を目的に旅立つことを決意する。

その後、OZの士官ルクレツィア・ノインの仲介により、南極でゼクス・マーキスと再会。ゼクスは修復したウイングガンダムを返還し、正式な再戦を申し出る。ヒイロはトロワからヘビーアームズを借り受けてこれに応じるが、戦闘の最中にリリーナ・ドーリアンの介入とOZ討伐部隊の乱入が重なり、勝負は中断。ヒイロとトロワは戦場を離脱した。

再びウイングガンダムを手にしたヒイロであったが、時を同じくしてOZは巧みな政治工作によりコロニー住民の支持を獲得。ガンダムの存在はむしろコロニーへの脅威と見なされ、ガンダムパイロットたちは戦う大義を失っていった。状況を見極めたヒイロは、ウイングガンダムを地球に残し、自らは宇宙へ上がって潜伏するという選択を下す。

ウイングガンダムゼロとの邂逅

学生として身を潜めていたヒイロ・ユイは、ガンダム開発者たちがOZの月面基地に拘束されているとの情報を入手し、彼らの知識がOZに利用されることを阻止するため、抹殺を計画する。潜入には成功するが、OZのパイロットとして偽装潜入していたトロワ・バートンに捕らえられてしまう。

その後、ヒイロは卓越した操縦技術を買われ、ドクターJらが開発した新型MSメリクリウスのテストパイロットに任命される。同じくヴァイエイトのパイロットとなったトロワと共にOZの任務に従事することとなった。

一方その頃、父親をコロニーの保身政策によって失ったカトル・ラバーバ・ウィナーは、精神的に追い詰められた末、ウイングガンダムゼロに搭乗し、ゼロシステムの影響で暴走。次々とコロニーを破壊していた。ヒイロとトロワは彼を止めるべく出撃し、激戦の末、トロワの必死の説得が功を奏してカトルは正気を取り戻す。しかしその代償としてヴァイエイトは大破、トロワは行方不明となる。

その後、OZに再拘束されたヒイロは、カトルと共にウイングガンダムゼロの実験に参加させられる。ゼロシステムによる精神負荷で暴走したヒイロは、ガンダム開発者たちを殺害しようとするが、カトルの呼びかけにより正気を取り戻す。気絶する直前、彼の脳裏にはリリーナの姿が浮かんでいた。目覚めたヒイロは、カトルと行動を共にし、地球への降下を決意する。

リリーナとの再会とサンクキングダムへの合流

地球圏では、OZが世界をほぼ掌握しつつも、ロームフェラ財団主流派と、それに反旗を翻すトレーズ派が対立し、内乱状態にあった。ヒイロは目的を失い、トレーズ派の傭兵として無軌道に戦い続ける日々を送っていた。

そんな中、カトルの呼びかけで、平和主義を掲げロームフェラ財団に抗う小国サンクキングダムへと身を寄せる。そこで統治者となっていたリリーナと再会。当初、完全平和主義という彼女の理念に懐疑的だったヒイロだが、国民や世界各地から集まる平和主義者たちの信頼と熱意を目の当たりにし、その思想が人々に必要とされていることを感じ取る。

やがて、リリーナの依頼を受け、カトルやノインらと共に、無防備なサンクキングダムを守る盾となる決意を固めるのだった。

サンクキングダムの崩壊

戦いに意味を見いだせず、より苛烈な戦場を求めたヒイロは、トレーズ派最後の拠点ルクセンブルクへ向かう。激戦の中で窮地に陥るが、トレーズ・クシュリナーダに呼び出され、戦士としての自分を見つめ直すよう促される。そして、彼からガンダムエピオンを託される。

一方その頃、サンクキングダムの平和主義は世界的な支持を集めつつあったが、これを脅威とみなしたロームフェラ財団が、「反乱分子を匿っている」という口実で侵攻を開始。ヒイロはエピオンで迎撃するが、ゼロシステムが見せた「リリーナの死」のヴィジョンに心を支配され、暴走してしまう。

リリーナは完全平和主義を貫くためOZへと投降したため、カトルやノインの奮戦もむなしく、サンクキングダムは崩壊することになる。暴走したヒイロはなおも戦場を駆け、やがて到着したゼクスのウイングガンダムゼロと激突する。両者ともゼロシステムに翻弄され、決着はつかなかったが、戦闘後に互いの言葉を交わし、機体を交換して戦場を離れるのだった。

リリーナの決意、ホワイトファングの誕生、トレーズの帰還

サンクキングダム崩壊後、リリーナはロームフェラ財団内での求心力を高めるため、傀儡的存在として財団代表に就任させられる。
ヒイロは、彼女が財団の世界支配に利用されるだけだと考え暗殺を試みるが、リリーナの掲げる地球と宇宙の和解という理想が財団内部でも支持を集めていることを知り、その行動を思いとどまる。そして彼女に期待を寄せるようになる。

一方で、ロームフェラ財団の支配に反発するトレーズ派や連合軍残党は、宇宙革命軍ホワイトファングを結成。その指導者には、ゼクスことミリアルド・ピースクラフトが就任し、地球排除を宣言する。

この頃、リリーナは財団全体の指示を得て名実ともに財団の代表となっていたが、完全平和主義を唱えるようになった財団ではホワイトファングに対抗できなかったため、幽閉されていたトレーズがOZの代表に返り咲くこととなる。こうして、トレーズ率いる地球とミリアルド率いる宇宙との全面戦争が勃発することとなる。

最終決戦へ

ヒイロは宇宙に上がり、超大型宇宙戦艦ピースミリオンでガンダムパイロットたちと合流するとホワイトファングとの戦いに身を投じる。ホワイトファングのピースミリオン級宇宙戦艦リーブラに単身潜入すると、軟禁されていたリリーナを救出。彼女に「戦争を終わらせることが自分ができる唯一のこと」と告げ、ミリアルドとの最後の戦いに挑む。

ヒイロとミリアルドの戦闘は全世界に中継され、人々に戦争の虚しさを目の当たりにする。「地球のような強者の存在がコロニーという虐げられるものを生む」とするミリアルドに対して、ヒイロは自分たちを含めて「人類全てが弱者」と説く。互いにコロニーを守ろうとする二人の戦いは、地球圏全体に平和を考える契機を与えた。

二人の戦いの舞台となった戦艦リーブラの一部が地球への落下を続ける中、ヒイロは最後の任務としてウイングガンダムゼロのツインバスターライフルでこれを破壊し、地球を未曾有の危機から救うのであった。

エピローグ

外務次官として多忙な日々を送るリリーナの誕生日に。ヒイロはシャトルの作業員に扮し、彼女の座席にクマのぬいぐるみとメッセージカードを残す。それに気付いたリリーナは、メッセージカードを破いた後、「今度はちゃんと手渡しなさい」と言い放って物語は幕を閉じる。

なお、このときのクマのぬいぐるみはヒイロの手作りである。

続編作品

新機動戦記ガンダムW BATTLEFIELD OF PACIFIST

『新機動戦記ガンダムW』と『新機動戦記ガンダムW Endless Waltz』の間を描いた物語であり、ガンダムを廃棄するまでの過程と、五飛がEndless Waltzで敵になる理由が語られている。

この物語でヒイロは地球圏統一国家の目標であり、外務次官となったリリーナが推し進める兵器完全撤廃に向けて、彼女は行えない強行的な活動を行っていた。

新機動戦記ガンダムW Endless Waltz

人類は全ての武力を放棄し、平和への道を歩み始めていた。しかし、コロニー反連合やホワイトファングを支援していたバートン財団総帥、デキム・バートンは地球圏掌握を諦めていなかった。彼はトレーズ・クシュリナーダの遺児、マリーメイア・クシュリナーダを象徴としてマリーメイア軍を結成し、平和の象徴であるリリーナ・ドーリアン外務次官を拉致したうえで、地球圏への宣戦布告を行った。

ヒイロはリリーナ救出のため、デュオと共にコロニーL3-X-18999に潜入する。そこで彼らの前に立ちはだかったのは、マリーメイア軍に参加した五飛であった。さらに、デキムが仕組んだコロニーの地球落下を阻止するために潜入していたトロワの助けを受け、ヒイロたちはX-18999の落下を防ぐことに成功する。しかし、その場にリリーナの姿はなかった。

X-18999を脱出したヒイロは、カトルに回収されたウイングゼロを宇宙空間で受け取り、マリーメイア軍とリリーナの待つ地球へ向かう。だが成層圏で待ち受けていた五飛のアルトロンガンダムと交戦し、互いの信念をぶつけ合うも決着はつかず、ウイングゼロごと海底に没する。

その後、決着をつけるためにウイングゼロを再起動させたヒイロは、マリーメイア軍の司令部となった大統領官邸前に飛来。激しく損傷した機体で最大出力のツインバスターライフルを連射し、大破させながらも官邸への突入に成功する。そこでヒイロは、マリーメイアに弾丸の入っていない拳銃を向けて引き金を引きくこで彼女を利用される立場から解放した。そして「もう誰も殺さなくてすむ」と言い残し、力尽きてリリーナの腕の中で眠りについた。

その後、自らの役目が終わったことを悟ったヒイロは、リリーナの演説を聞いた後、人々の中へと姿を消した。

新機動戦記ガンダムW Frozen Teardrop

A.C.197年に発生したサンクキングダムのテロ事件でリリーナ救出のために奮闘するが、己の判断ミスでリリーナを重傷に負いこんでしまう。リリーナが「P・P・P(パーフェクトピースプログラム)」を発動したことによりコールドスリープを余儀なくされた彼女との約束を守るため、自らもコールドスリープで人工冬眠に入ることを決意する。

改暦したMC-0022年に人口冬眠から目覚めたヒイロは、「白雪姫(スノーホワイト)」に搭乗して火星南北戦争で戦うこととなる。終戦後、P・P・Pの脅威が取り除かれ、自由の身になったリリーナのもとにヒイロが現れる。そして、彼は彼女にプロポーズの手紙を手渡し、物語は幕を下ろす。

人物像

ヒイロの変化

ヒイロは本来、心優しい性格の持ち主であるが、幼少期より工作員としての訓練を受けてきたため、表面上は冷徹で無口、不愛想な人物へと成長した。過酷な少年時代において、実父アディンから教えられた「感情のままに生きること」という言葉は、彼の行動原理であり、人間らしさの源泉でもあった。

工作員として活動していた頃、自身の判断ミスによって民間人の少女を死なせてしまったことがあり、この出来事は深いトラウマとして彼の心に刻まれた。この経験をきっかけに、彼はさらに感情を押し殺すようになり、本来の優しく純粋な性格を抑圧する傾向を強める。そのため、精神的に破綻しているとも取れる言動が見られることもあった。

オペレーション・メテオで地球に降下して以降、多くの人々と出会い、その想いに触れたことで、ヒイロは人の弱さを受け入れられるようになっていく。物語の後半では、冷徹な言動の中にも他者を思いやる面が現れ、大局的な視野を持つようになるなど、精神的な成長が見られた。

冷徹な工作員としての顔と、本来の純粋さが垣間見える二重性、そして徐々に変化していく姿は、デュオやリリーナをはじめ、多くの人間に少なからぬ影響を与えた。

工作員としての実力

ヒイロは、工作員として鍛え上げられた身体能力において常人をはるかに凌駕している。50階建ての高層ビルから身を投げても軽い骨折で済むほか、銃弾を回避し、鉄格子を素手で折り曲げるといった超人的な行動が可能である。さらに、任務遂行のために多岐にわたる教育を受けており、聖ガブリエル学園に潜入した際にはフェンシングや乗馬の腕前を披露し、バスケットボールでは低身長ながらも片手でダンクシュートを決めてみせた。

ウイングガンダムの自爆に巻き込まれて致命傷を負いながらも生還するなど、驚異的な生命力を有する。また、搭乗者の精神を破壊しかねない危険な戦闘支援システム「ゼロシステム」を使いこなす強靭な精神力も併せ持つ。モビルスーツ操縦技術も卓越しており、圧倒的な性能差のあるアルトロンガンダムに対し、量産機リーオーで善戦した記録もある。

名前の由来

ドクターJに拾われる以前、彼の本名は実父アディン・ロウから与えられた「アディン・ロウJr.」であった。一方、コードネーム「ヒイロ・ユイ」は、かつてコロニーの自治独立を掲げながらも志半ばで凶弾に倒れた指導者ヒイロ・ユイにちなむものである。

作品設定における「ヒイロ・ユイ」の名は、アーサー・コナン・ドイルの小説『緋色の研究』に由来し、その韻は「アムロ・レイ」を踏んでいる。また、「ユイ」は「唯一(唯)」の意味を持たせたとされる。

参考文献

  • Wikipedia
  • ピクシブ百科事典
  • 新機動戦記ガンダムW公式サイト
  • 『新機動戦記ガンダムW』 創通・サンライズ
  • 『新機動戦記ガンダムW Endless Waltz』 創通・サンライズ
  • 『新機動戦記ガンダムW大百科』勁文社
  • 『新機動戦記ガンダムW 設定記録集 PART-I』ムービック〈サンライズART BOOKシリーズ 3〉
  • 『新機動戦記ガンダムW BATTLEFIELD OF PACIFIST』 講談社
  • 『新機動戦記ガンダムW Frozen Teardrop』 角川グループパブリッシング、隅沢克之

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