ジャブロー   地球連邦軍の心臓部

技術/設定

作品:機動戦士ガンダム 他

ジャブローは、アニメ『機動戦士ガンダム』シリーズに登場する架空の軍事拠点であり、一年戦争以前からグリプス戦役初期まで地球連邦軍の最高司令部が置かれていた戦略中枢である。所在地は南米アマゾン川流域とされ、地形と自然環境を活かした地下要塞である。

地理的・構造的特徴

ジャブローはアマゾン流域の強固な地盤の下、広大な鍾乳洞群を利用して建設されており、全長は280km以上とされる。内部には18m級モビルスーツ(MS)が活動可能な空間が広がり、大型工場群や整備ドック、艦船発着施設が配備されている。空間は複数の空洞が連結された構造で、要塞全体が一つの都市機能を成している。

地表は熱帯雨林に覆われ、出入口や施設は巧妙にカモフラージュされている。対空砲火やミサイル基地を備えた防衛体制のほか、宇宙船の発射に対応する簡易マスドライバーも有し、攻撃・補給・発進のすべてを担う自己完結型拠点となっている。

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軍事的役割と象徴性

ジャブローは軍司令部に加えて、MSおよび艦艇の生産工場、兵器庫、宇宙港、参謀本部、保険庁などを内包し、事実上の連邦軍中枢として機能した。そのため、旧態依然とした官僚主義の象徴ともなり、一部の保守派高官は前線に出ずに籠城する傾向があり、「モグラども」と蔑まれた。現場兵士の間では、ジャブローは「本社」と皮肉られるなど、象徴的な意味を持っていた。

また、「地球連邦本部」と記される資料も存在し、軍政機関の中枢機能が集約されていた可能性が高い。この点がジオン公国がジャブロー攻略に執着した一因でもある。


一年戦争期のジャブロー

一年戦争初期 ― ジャブローの発見とジオンの攻撃

一年戦争が勃発した際、ジオン公国軍は連邦軍の大本営であるジャブローの存在を大まかに把握していた。開戦当初、ジオン軍はコロニー落とし(ブリティッシュ作戦)を実施し、連邦軍の拠点を直接攻撃しようと試みた。しかし、連邦軍宇宙艦隊の迎撃によってコロニーは大気圏突入時に崩壊し、破片はオーストラリア大陸東海岸、太平洋、北アメリカ大陸に落下したものの、ジャブロー自体は無傷のままであった。

その後、ジオン軍は再度のコロニー落としを南極条約で封じられると、ジャブローへの攻撃を空爆に切り替えた。ジオン軍のガウを使った空爆は頻繁に実施されたが、ジャブローの厚い地盤と防空施設に阻まれ、甚大な被害を受けることはなかった。連邦軍兵士の間では、これらの空爆は「定期便」と揶揄されるほど、ジャブローへの攻撃は成功しなかった。

一年戦争後期 ― 反攻とジオンの挫折

一年戦争後期、ホワイトベースが地球に到着し、その行動を察知したシャア・アズナブル率いるマッドアングラー隊がジャブローへの潜入を試みる。シャア率いる部隊は、ジャブローの宇宙船用ドックを発見し、ジオン軍はこれを機に反攻作戦を開始した。

ジオン軍は、北米方面軍を中心に戦力を集結させ、ジャブローの宇宙船ドックを主要目標として攻撃を仕掛けた。シャアの工作部隊は水陸両用モビルスーツを使用して潜入し、連邦軍のモビルスーツ工場を爆破しようとしたが、失敗に終わり、ホワイトベース隊の活躍もあってジオン軍部隊は全滅した。また、ガウによって空輸されたモビルスーツ部隊も、対空砲火に阻まれ、ジャブローへの侵入には成功しなかった。最終的に、ジオン軍は大規模な侵入口を確保できず、モビルスーツの半数を損失して撤退せざるを得なかった。

この作戦失敗により、地上戦力を大きく損耗したジオン軍は守勢に回り、連邦軍の反攻が本格化する契機となった。ジャブローからは反攻作戦を支援するため、多くの艦艇が宇宙に打ち上げられ、ジオン軍に対する反撃が始まった。

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デラーズ紛争 ― 核攻撃の脅威と内部の権謀

デラーズ紛争時、ジャブローは再び攻撃対象となり、ガンダム試作2号機による核攻撃やコロニー落下作戦の標的として目されていた。しかし、最終的にはコロニーが北米穀倉地帯に落下し、ジャブローは難を逃れる。しかし、デラーズ紛争終結後、ティターンズ台頭により、ジャブローの内部状況は不安定になっていく。


グリプス戦役 ― ティターンズの支配と核爆発

グリプス戦役が始まると、反地球連邦組織エゥーゴがジャブローに降下作戦を実施し、地上戦が展開された。ジャブロー内では、ティターンズが実権を握っており、エゥーゴの部隊に対抗するため、地下に核爆弾を設置していた。核爆発によってジャブローは壊滅し、ティターンズはその後、爆発の責任をエゥーゴに押し付け、自らの行為を隠蔽した。

この爆発によってジャブローは機能を失い、連邦軍の中枢は移転を余儀なくされた。防衛隊には主に旧式のモビルスーツや戦車が配備されており、戦力的には限界があった為、ティターンズの策略を察知したエゥーゴはその後の脱出に成功し、ジャブローは事実上壊滅した。

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その後 ― ジャブローの廃墟と再登場

ジャブローはグリプス戦役後、壊滅的な状況に陥り、その後の時代においてはほぼ廃墟と化していった。しかし、U.C.0090年の『ジョニー・ライデンの帰還』では、ジャブローの外縁部が生き残り、ザンジバル級巡洋艦「サングレ・アスル」が秘匿されていることが描かれた。また、U.C.0093年の『逆襲のシャア』では、連邦軍中枢がラサに移転しており、ジャブローは軍事機能を喪失していた。

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