マチルダ・アジャンは、『機動戦士ガンダム』に登場する地球連邦軍の女性将校であり、補給部隊の隊長としてホワイトベースに物資を届ける任務を担っていた。
孤立無援のまま戦地を転々としていたホワイトベースのクルーにとって、彼女の存在は戦場における貴重な支援であると同時に、心の拠り所ともいえる癒しの存在であった。

画像引用元:『機動戦士ガンダム』©創通・サンライズ
補給部隊の隊長
マチルダ・アジャンは地球連邦軍の中尉であり、ミデア補給部隊の隊長として登場する。レビル将軍の特命を受け、護衛を付けないミデア輸送機のみという大胆な編成で、ホワイトベースへの物資補給任務を遂行した。
補給部隊への志願理由について、マチルダは「戦争という破壊の中で、唯一、物を作っていくことができるから」と語っている。
この言葉からは、彼女が戦場における補給任務を単なる後方支援ではなく、兵士たちの生命線を支える使命として強く自覚していたことが伝わる。マチルダにとって補給とは、人を生かすための最も現実的な戦いだったのである。
アムロ・レイとマチルダ
マチルダはホワイトベースのクルーから強い信頼と人気を集めており、アムロ・レイもその一人であった。アムロの操縦技術を目の当たりにしたマチルダは、彼を評して「エスパーかも」と語り、ニュータイプとしての片鱗をいち早く感じ取っていた。また、アムロがニュータイプ的な感応を初めて示した場面にも、彼女が深く関わっていたとされる。
『機動戦士Zガンダム』では、一年戦争から7年後のアムロの部屋に、マチルダを含むホワイトベースクルーの集合写真が飾られている描写がある。少年だったアムロにとって、マチルダは初恋にも似た感情を抱いた大人の女性であり、彼女との出会いと別れは、その後の人生に大きな影響を与えたと考えられる。
戦場に散った命
オデッサ作戦を目前に控えたある日、ホワイトベースはジオン軍のエース部隊「黒い三連星」の襲撃を受ける。マチルダはホワイトベースを救うため、自らミデア輸送機を操縦して戦闘空域に突入。ガンダムと黒い三連星の交戦に割って入り、アムロを救うためにオルテガのドムへ体当たりを敢行した。
しかし、激昂したオルテガの反撃を受け、ミデアの操縦席を叩き潰されて戦死する。彼女の最期の瞬間、アムロは戦場の中でその姿を幻視し、深い衝撃を受けた。マチルダの死は、ホワイトベースのクルーにとって戦争の現実を突きつける出来事であり、アムロの心に深い傷と覚悟を刻む転機となった。
私生活
マチルダは大学から地球連邦軍士官学校へ編入した経歴を持つとされる。ゲーム作品『機動戦士ガンダム戦記 Lost War Chronicles』では、士官学校時代の同期としてレーチェル・ミルスティーンが登場しており、彼女の人間的背景を補完する存在として描かれている。
マチルダの戦死後、ホワイトベースが地球連邦軍本部のあるジャブローに到着すると、彼女の婚約者であるウッディ・マルデン大尉が艦の修理担当として登場する。ウッディの口から、マチルダがオデッサ作戦後にジャブローで結婚式を挙げる予定であったこと、そしてホワイトベースのクルーも招待するつもりであったことが語られる。この事実を知ったアムロは深い衝撃を受け、マチルダの死が彼の心に刻んだ喪失の大きさを改めて実感することとなった。
設定雑学
マチルダ・アジャンの死は、1979年の放送当時から視聴者に強烈な衝撃を与え、ファンの間でも大きな議論を呼んだエピソードとして知られる。制作側もこの反響を受け、彼女を再登場させるための手法として、ウッディ・マルデン大尉の婚約者という設定を追加するに至った。これにより、ジャブローで描かれる結婚式のイメージシーンにおいて、物語上無理なくマチルダを再度登場させることが可能となったとされる。
なお、スリーサイズはB84・W60・H88とされている。
参考文献
- 『機動戦士ガンダム』©創通・サンライズ
- 『Wikipedia – マチルダ・アジャン』
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